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▼この先、記事が続きます。
目次

各作品の説明

あこがれの瞬間

10年間憧れてきた雪の京都にはじめて訪れた。もともとは、雪景色の中の寺院や竹林といった、京都らしい風景を撮影することを目的にしていた。しかし、予想とは裏腹に赤い傘をさした人と洋風建築が組み合わさった、まるでカフェやBARに飾るような洗練された写真が撮れた。
1時間ほど粘ってみたが、赤い傘を持った通行人が5人ほどが通過した。その中でこの1枚が傘、服装、歩くシルエットなど最もバランスが良く、全てが完璧に組み合わさった一瞬だった。
撮れた瞬間からこの写真はプリントして飾ろうと決意していた。今でも家の食卓に飾ってある1枚だ。

フィールドマップ

この写真はドローンを使用した撮影である。鮮やかな青と緑のコントラストは、かつてのRPGのフィールドマップを思い起こさせる。
最初は冬にこの場所を訪れて撮影を試みたが、木々が茶色く、想像とは異なる風景だった。改めて、5月中旬に再訪した際には、新緑が美しく広がっており、望んでいた色合いを確認できた。

この写真を俯瞰から眺めると、無人島であるにも関わらず、養殖の施設や船着場が存在しており、それは興味深い。航空写真には以前から魅力を感じていたが、自分自身で撮影する日が来るとは思っていなかった。この1枚は、特別な思い出の写真である。

桜の下のバス停

まるで物語の中にあるような光景だ。年間を通して10日間ほどの光景と考えられるが、このバス停から出勤、通学などする時はどのような気分になるだろうかと想像してしまう。
祝い事やけじめが付く日は最高のシチュエーションだろう。2年目以降はどのように感じるだろうか。自分は通勤に対してポジティブなイメージを持つことはあまりなかった。通勤経路に対しては写真を趣味にしていたこともありポジティブな感情は持てていたが、それは趣味があったからという理由が大きい。

夕暮れ色の世界

湿度が高い日、特に梅雨や台風シーズンには夕焼けが頻繁に見られる。多くの人は民謡「赤とんぼ」の「夕焼け小焼け」という歌い出しを聞いたことに加えて夕焼けそのものも実際に見たことがあるだろう。

しかし、写真を始める前の私にとって、夕焼けの記憶や印象は薄かった。当時、私はそのような自然現象に興味を持っていなかったからだ。夕焼けはどこでも気軽に楽しむことができる絶景であり、それを見過ごしてきたことは少々残念に感じる。
特に日常の疲れを感じる人たちには、意識的に10分ほどの短い夕焼けのショーをぜひ体験してほしい。空一面を真っ赤に染め上げてしまうスケールは美しさ、壮大さを感じられる。
私の写真が、夕焼けの美しさに気づくきっかけとなれば幸いである。

国道23号線がサイバーパンクだった

まるでSF映画のワンシーンのようだ。撮影場所は津の国道23号線沿い、朝日屋の前だ。激しい大雨の中での撮影で、飛ぶ水しぶきがネオンの光を幻想的に拡散させている。時間は遅かったが、雨の中を歩く男性のシルエットを見つけた。近くの歩道橋に駆け上がり、素早く構図とカメラの設定を整えた。男性が店の明かりに近づく前のギリギリの瞬間に、最も鮮明なシルエットが映し出されるタイミングでシャッターを切った。

私は津に住んでいないため、この写真を撮影できたのは奇跡とも言える。津を訪れることは稀で、国道23号線沿いを歩くことはほとんどない。しかも、夜の大雨という条件下での撮影は、偶然にも重なった一瞬の出来事だった。この1枚を捉えられたことは、私にとって非常に喜ばしい。

愛着

子供のころ、この地域で釣りを楽しんだ記憶がある。しかし、その時はまだこの漁港のことを知らなかった。カメラを始めてから、近くを改めて探索し、この漁港を発見した。
日の出の時間帯に行ってみると、目の前には息をのむような美しい風景が広がっている。明和町にこんな美しい場所があるとは思ってもいなかった。この場所は、何度も訪れるうちに特別な感情が湧き、改めて愛着を持つようになった。

逆境

高ボッチという地点から撮影した1枚の写真は、諏訪湖と雲海と富士山を一望できる場所だ。この日は雲が高く、いわゆる定番の景色は撮影できなかった。雲が高いと本来雲海として俯瞰するはずの雲に自らが飲み込まれてしまうのだ。
しかし、雲の切れ目のタイミングで美しい霧氷と朝日を捉えることができた。雪の国や高原に慣れ親しむ人々にとっては比較的身近な景色かもしれないが、私のような太平洋側の平野部に住む者には、まるで異世界のような景色だった。この日の条件は定番の写真を撮るには最悪だったが、高ボッチの新たな魅力を発見するには最高の日だった。

一丁倫敦

「一丁倫敦(いっちょうロンドン)」とは、イギリス式のレンガ造りにより東京の街開発が行われた時代の街並みの名称である。東京駅の丸の内駅舎もその代表的な建築の一つだ。火災の多かった江戸の後継としての東京は、燃えにくい街を望み、このようなレンガ造りの建物はまさにその理想形であった。しかしその後、アメリカ式の合理的なコンクリート建築が導入され、街並みは「一丁紐育(いっちょうニューヨーク)」と称されるように変わっていった。

現在の東京にも、その時代の面影は確かに残っている。特に、この写真を撮影した背後には「JPタワー」というガラス張りの高層ビルがそびえており、その窓ガラスからの反射が東京駅に映り込んで、まるでプロジェクションマッピングのような効果を生んでいる。これは決して意図されたものではないが、非常に美しい光景である。撮影から4年が経過した今でも、この写真は私のお気に入りの1枚である。

関係性

女性と壁のくぼみ。彼らに直接的な関係はないが、写真として組み合わせるとこれ以上マッチする関係性はなかなか見当たらない。頭から下半身まで基本モノクロ調でありながら体型、姿勢、壁との距離感など完璧な組み合わせといえる。灰色のマスクをしていたのもポイントが高い。
実はこの写真を撮った後ももっと良いのが撮れないかと試行錯誤したが、これを超える組み合わせは出てこなかった。
都市部でのスナップ撮影は、日常の些細な瞬間をアートへと昇華させる魅力がある。

市松模様

水玉に映し出された不思議な市松模様の正体は、先日アレをした球団の母体が運営する百貨店の建物である。水玉が映っているのはガラス張りの天板で、雨が降る際にこの現象が観察できる。
これは大阪 梅田でスナップ写真教室を開催していた際の1枚である。正直、雨の日ではどれほどの写真が撮れるのかやや不安であったが、何としても納得のいく1枚を撮影したいとの思いからこの写真は生まれた。通常、自分の写真活動はリラックスした状態でこそ良い作品が生まれることが多いが、追い込まれた撮影もまた、新たな視点を生むことがあるのかもしれない。


天気の境目

夕焼けの美しさは言葉では表現しきれないものである。それが雷鳴と稲光を伴うとき、その景色の美しさはさらに増す。夕焼け色に染まった光芒は、通常見るものとは違い、非常に幻想的に感じられる。しかし、稲光をカメラで捉えることはできなかった。周辺環境が明るすぎると、稲光をキャッチできないのだ。

この場所での夕焼けを撮影する際、地上の物体をシルエットとして捉え、入道雲が美しく染まる様子を撮ることができた。都市部での夕焼け撮影は困難である。ビルの間で見る空は狭く、その中で夕焼けを美しく撮影するスポットは限られてくる。

この坂を知っていたものの、夕焼けと合わせてこれほどの絵になるとは思っていなかった。都市部での写真撮影は、常に新しい発見とチャンスに満ちている。あちこちを歩き回り、それぞれの場所の魅力を探ることで、思わぬショットを得ることができるのだと実感する。

人型

写真は瞬間を切り取るアートであり、日常の中に隠れている美しさやユニークさを引き出すことができる。避難経路の案内板は、おそらく多くの人々が無視して通り過ぎるであろう日常的な存在だ。そのくり抜かれた独特のデザインを利用して面白い写真が撮れないかと考えた。

もっとも組み合わせやすいのは通行人だ。シルエットと歩行者の歩き方やモノクロ基調の色、動きと静けさなど、いくつもの要素が絡み合っており、そのバランスがうまく取れたのがこの1枚だ。

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