こんにちは、yutoです。
「自分はポートレートのセンスや知識がないけどうまく撮れるだろうか?」とか考えてしまって、なかなか一歩踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
この記事ではポートレート初心者がどうすればうまく撮れるのかということをまとめました。
STEP1:モデルとイメージを共有する
ポートレートは撮り手側だけで完成するものではありません。
モデルとの協力関係があってはじめて完成します。
撮り手はどう撮りたいのか、モデルはどう撮られたいのか、お互いに意思表示をすることこそ、よりよい作品を生み出すことができます。
モデルや行く場所の雰囲気に合わせたテーマを持つ
撮影前はざっくりしたもので良いので、モデルや撮影地に合わせたテーマを持つと良いです。
基本的に写真は、周りの環境や被写体の要素にある程度依存します。
かわいいものはかわいく、かっこいいものはかっこよくという感じですね。
絵と違ってそこにあるものを使って作品に仕上げるので、イメージに合わないものを無理矢理イメージに合わせようとすると大変です。
服装はモデルとその場所の雰囲気を合わせるための大事な要素です。
イメージが思い浮かばない人は、ファッション誌を見ると良いです。
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パラパラとめくってみると、きっと撮ってみたいと思える写真が出てきますよ。
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信頼関係を築くと良い表情や仕草を引き出せる
信頼関係を築くことは、個人的に一番大事なことだと考えています。
相手に対するお願いもしやすいですし、相手の自然な良い表情が勝手に出てくるからです。
ポーズや表情の指示出しが苦手な人は信頼関係の構築を重視すると良いです。
仲良くなると指示出しもやりやすいですよ。
そういう意味では家族や恋人・友人など身近な存在の人たちは撮りやすいです。
最低限のマナーを守る
ポートレート撮影はコミュニケーションが大事です。
そのため、常識的な対応が求められます。
たとえば以下の通りです。
- 撮影条件を聞く(金銭支払いの有無・撮影可能時間・どのような雰囲気)
- やむを得ない理由で遅刻やキャンセルがある場合は連絡をいれる
- 言葉遣いや態度は丁寧にする
- モデルに対して嫌がることをしない
- モデルの対応可能範囲は人によって違う
自分本位にならず、相手のことをきちんと考えることで、お互い気持ちよく撮影することができます。
たとえ金銭を払っているとしても、相手が気持ちよくサービスできるような環境づくりを心がけましょう。相手の立場となって考えることが重要です。
モデルと初対面の場合の心構え
初対面の時は下見ぐらいで望むことが多いです。
目的はモデルとの距離感を縮めることです。超重要です。
ほとんどの場合、1回目の撮影より2回目のほうが距離感が縮み、撮りやすくなります。
ただし、自分が撮りたいイメージがあってかつ、雰囲気とマッチしたモデルの場合は、そのイメージに合わせて撮ります。
STEP2:ポートレートの基礎
ピントは手前の目に合わせる
花衣団体:ルナフルージュ
基本的にポートレートのピント位置は手前側の目です。
奥の目だと写真にすごく違和感が出るので注意しましょう。
近年のカメラは人間の瞳を認識して、自動追尾する機能があります。
「カメラ名 瞳AF」と検索してやり方が出てくる機種はぜひ使ってみましょう。
SONYのαシリーズで瞳AFを使いたい場合は公式サイトで紹介している操作法が参考になります。
定番ポージング
定番ポージングは以下の通りです。
- 体をやや斜めにしてもらう
- 膝をくの字に曲げてもらう
- 足をクロスさせてもらう
- 横を向いて片足あげてもらう
体をやや斜めにしてもらう
花衣団体:ルナフルージュ
膝をくの字に曲げてもらう
■言葉遣いは丁寧に
初対面はもちろん、適切な距離感をもって接しましょう。基本的には敬語で指示出しするのが良いです。
上から目線や、仲良くないのにタメ口を使うのは良くないです。
■身振り手振り
うまく言葉で説明できない時は、実際に自分がやってほしいポージングをやるのも良いです。
■撮りたいイメージに近い写真を見せてしまう
一番イメージを共有しやすい方法です。
特に表情の指示出しが難しい時に有効です。
基本構図
日の丸構図
ポートレートを撮る時は、基本的に日の丸構図を多く使うことになるでしょう。
モデルを一番ストレートに見せることができる構図です。
二分割構図
二分割構図はリフレクションや地平線を入れる時によく使います。
一般的に左右対称・上下対称のものを見ると美しいと感じるように人はできているようです。不思議ですね。
三分割構図
画面を三分割しているグリッド線の上にメインを持ってきます。
たとえばこの写真だと、左の縦線にモデル、上の横線に目を配置しています。
空白が多いところでも三分割構図を使うことで、構図を安定させることができます。
NG構図
一般的に避けたほうが良いという構図が3パターンあります。
串刺し
ちょっと間抜けな構図になってしまうのが串刺しです。
電柱や、建物の柱など意外となりやすいので注意してください。
首切り
首のところに地平線・水平線・梁などがあるような構図です。
あまり気分の良いものではないので、注意したいですね。
首切りにはもう1つ、構図的に首で切ってしまうところです。
こちらもやっぱり印象としては良くないです。
理想としては胸のあたりまで構図にいれると良いです。
目刺し
モデルの目を突き刺さってしまうような構図です。
なんだか怖い印象を与えてしまいます。
露出補正
RAW撮影の場合 -0.7
RAW撮影の場合は、あとで現像処理することが前提となります。
そのため白飛びや黒潰れをできるだけ少なくなるように撮影します。
基本的に暗めに撮っておくことで、白飛びを防ぐことができます。
黒潰れが心配になりますが白飛びに比べると比較的起こりにくいです。
JPG撮影の場合 0.0
JPG撮影の場合は、人の顔の明るさに合わせて撮るのがベターです。
少々の白飛びや黒潰れよりも、人物の顔がきちんと写っているほうが良いですよね。
ただし、シルエット撮影など特殊な明るさにしたい場合はこの限りではないです。
STEP3:自分が得意な画角を見つける
ズームレンズで得意な画角を探る
自分が得意な画角は人によって異なります。
そのため、ズームレンズを持っている人は、ズームレンズでポートレートを撮ってみて、自分にしっくりする画角を探すと良いでしょう。
例えば35mm・50mmの単焦点レンズで迷っている場合は、ズームレンズでどちらが好みか試してみると良いでしょう。
画角別ポートレート撮影
24mm
室内や人物+風景のようなイメージで撮るのに向いています。
被写体に近づけることが条件なので、親密度が高い人を撮るのにオススメです。
35mm
室内や人物+風景のようなイメージで撮るのに向いています。
ポートレートの定番画角の1つとして人気がありますよね。
35mmと50mmの単焦点レンズで迷う人も多いでしょう。
人物+アルファ(風景・建物など)を撮りたい場合は35mmがおすすめです。
旅行写真や記念写真、風景の中にポツンと人がいるシチュエーションなどに使えます。
人物メインの場合は50mmがおすすめです。
40mm
人物メインで撮影したい時にオススメです。
感覚的には35mmと50mmのおいしいとこどりをしたのが40mmだといえます。
50mmがどうしても狭いなと感じてしまう人は40mmと相性が良いかもしれません。
50mm
ポートレート撮影の定番といえる画角です。
これぞ The ポートレート といえる写真がバシバシ撮れます。
人物メインで作品を撮りたい人は50mmを持っておいて損はありません。
85mm
花衣団体:ルナフルージュ
中望遠になると背景をボカしたり圧縮効果を使って、人物を浮かびあがらせることができます。
標準域に比べてモデルとの距離が離れてくるので、コミュニケーションをとるのが難しくなりがちですが、その反面ちょっと遠くからいい瞬間を狙うことで自然な表情を撮ることができます。
狭い室内などで撮るのは難しいです。
135mm
写真で世界観を作り出したい人にオススメです。
モデルとの距離はかなり離れます。
狭い室内で使うのは難しいです。
85mmよりもさらに強烈な背景ボケと圧縮効果を使うことができます。
撮り手の存在をもはや感じさせない距離感での撮影が可能で、自然な表情を写すことができます。
個人的な感覚では24mm・40mm・50mmが使いやすいと感じました。
ズームレンズで撮影している時もこの3つの画角で撮っている時が多くありました。
24mmはスナップ的なイメージが撮りやすいです。
40mm・50mmはバストアップで距離感が近い感じに撮ることができます。
自分に合った画角があるので、探してみてください。
STEP4:自然光を味方につける
曇りの日はマットな質感を出せる
花衣団体:ルナフルージュ
曇りの日は、雲がソフトボックスになります。
モデルの顔の陰影を綺麗に出したい時は曇りの日の撮影がおすすめです。
夕方・早朝の光はボーナスタイム
夕方の光は色味があたたかく、光と陰のコントラストもやわらかいです。
曇りの日と晴れの日のおいしいとこどりをしたシチュエーションですね。
ただし日没前後の1時間ぐらいしか撮れないので注意してください。
逆光で撮るとドラマチックさが出る
日没1時間半ぐらい前からは夕方らしい雰囲気になってきます。
この時間帯にレンズを太陽のほうにむけると、ぼわっとしたレンズフレアが出ることがあります。
いつもは邪魔者扱いされるレンズフレアですが、ポートレートではこのフレアをだすことによって、ドラマチックになります。
太陽の光をファインダー越しで見ることは危険なのでしないでください。
サイド光で印象的に撮る
室内で撮影する時は、窓際で撮るとサイド光が綺麗に入ります。
サイド光がうまく使えると一気に写真にアート性を持たせることができます。
STEP5:構図を工夫する
構図をひと工夫すると面白い
手を使って額縁構図を作る
基本的な構図だけでは、どうしてもワンパターンな構図になってしまうという人は、モデルさんの手も使って構図に変化を持たせましょう。
たとえば写真のように額縁を作ってもらうだけでもずいぶんイメージが変わります。
手を使って奥行き感のある構図にする
手を前ボケに使って奥行きを出します。
小顔効果があることと、モデルの顔を少し隠すことによって見えていない部分を想像できる楽しさができます。
Fotomoti #エンジョイ写活 キャンペーンの一貫としてフォトレシピを投稿しています。
撮影設定や気をつけた点など要点をまとめています。
・手を前ボケに使って奥行き感を出す
Fotomotiではたくさんのユーザーが自分で撮った写真のフォトレシピを投稿しているので、手軽に写真の勉強をしたいという人はぜひ会員登録して読んでみてくださいね。
*無料です。
こちらも手を使って奥行き感を出しています。
ネオンの光で顔と手の色が違うことも画面に変化を出すことができます。
STEP6:小物を使う
リングライト
夜になると暗くなって、ポートレート撮影は難しくなりますが、リングライトを使うことによって夜でも手持ちで撮影することができます。
さらに、リングライトの色を変えれば独特の雰囲気を出せるのも魅力的ですね。
ちなみにリングライトはこのように手持ちサイズです。
リュックに入るサイズなので持ち歩きしやすいです。
LEDビデオライト
強い光や、発色を変えることができます。
手軽にライティングしやすいのが魅力的です。
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まとめ
ポートレート撮影の基本テクニックを紹介してきましたが、なんだかんだで一番重要なのはモデルとのコミュニケーションだと感じました。
モデルとのコミュニケーションをしっかり取り、距離感を十分に縮めておけば、撮影でやりたいことが増えますし、モデルの表情も豊かになるからです。