【RAW現像実践解説】サイド光を活かして立体感と透明感を出し、ドラマチックな朝の光を表現

こんにちは、Yutoです。

ツイッターやインスタグラムで投稿を見ていただいている方はご存知かもしれませんが、写真の仕上げ解説を行っています。

多くの反応をいただくこともありますので、いくつかの写真は細かい説明をしていこうかなと思います。

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▼この先、記事が続きます。
目次

今回解説する写真

夏と秋の境目が感じられる風景でした。
彼岸花と稲が朝陽に輝いていて綺麗です。見晴らしも良く土手や道路で奥行き感が出せるところで撮影しました。

主題
彼岸花と田んぼ

シチュエーション
よく晴れた日の早朝・やや湿度がある

彼岸花の群生は密集している部分と隙間がある部分があるので、できるだけ密集している部分を手前にするように撮ると群生ならではの賑やかさが出ます。

構図
三分割構図で空間を切り取ります。
縦は青・黄・赤の色分け、横は土手・田んぼ・集落というエリア分けで考えます。
手前の彼岸花を入れつつ、電柱を煽り効果なしで撮りたかったので、トリミングすることを前提で撮影しています。

シャッタースピード
1/320秒
太陽周りがぎりぎり白飛びしない程度の明るさを意識します。

絞り
F 8
手前をくっきりさせつつ背景もある程度くっきりした状態を意識します。
F13程度まで絞り込むと画面全体がかなりくっきりしますが、太陽によるフレアやゴーストが目立つので、逆光の時は順光の時ほど絞り込まずに撮っています。

ピント
手前の彼岸花にピントを合わせます。

背景
稲や空を写すことで彼岸花以外にもはっきりとした季節感を写真に出します。

仕上げの方向性
逆光ならではの彼岸花や稲の輝きを再現させます。

使用するソフト

Adobe Lightroom Classic

Adobe フォトプランを使うとAdobe PhotoshopとLightroomの両方が使えます。

RAW現像(Lightroom)

撮って出し

構図を組み立てる時に以下のように優先順位をつけて撮っています。

①手前の彼岸花を入れたい
②道を写して奥行き感を出したい
③太陽によるフレアやゴーストを極力出さないようにする
④人が入らないようにする

今回は全ての項目がギリギリのところで構図を組み立てています。①〜③までは撮影時にクリアできましたが、④はトリミングで対処することにしました。

全体補正:白飛びさせないようにしつつ明るくして下地を作る

①写真全体を明るくすると同時に明るすぎる部分は白飛びさせないようにする
露光量を上げて写真全体を明るくしただけだと、明るいところが白飛びしてしまいます。
そこでハイライトを下げることで、写真の明るいところは白飛びさせずに写真全体を明るくすることができます。

②かすみ除去をマイナスにふって湿度を表現
かすみ除去をマイナスにするとぼやっとした状態になります。
この日は若干湿度が高く、もやもやした空気感だったのでそれを強調しました。

③彼岸花・田んぼ・空の色を整える
HSL/カラーの項目でそれぞれの被写体の色をよりはっきりとさせました。
彼岸花の赤をより濃く、そして明るくします。田んぼは明るく鮮やかに。空は青みを濃くします。

部分補正:田んぼを輝かせる

①田んぼを集中的に補正する
円形グラデーションのぼかしを変えると部分補正の境界線の強弱をつけられます。
ここでは田んぼのところを集中的に補正したいので、ぼかしを引き締めます。
特に空に効果がかからないように範囲指定します。

②田んぼの黄色さを強調して黄金に輝いているように見せる
色温度と明瞭度を上げることで田んぼが黄金に輝くようにしています。
露光量と色被り補正で明るさと色味を微調整します。

③シャドウを引き締めることでさらに田んぼが輝いているように見える
田んぼと道の境目は影があります。シャドウを下げることで影が濃くなり、明るくなっている部分がはっきりと浮かび上がるので、よりいっそう輝いているように見えます。

部分補正:彼岸花を輝かせ、空の色を濃くしてすっきりさせる

①白レベルを上げて彼岸花の輪郭を際立たせる
彼岸花の太陽が当たっている部分だけを明るくして輪郭をはっきりさせます。そうすると手前の彼岸花の存在感がより強くなります。

②かすみ除去を上げて空の色を濃く、彼岸花の影を濃くして透明感と立体感を出す
かすみ除去を上げると空の色が濃くなります。そうすることで澄み切った空が再現できます。地上は湿度がある感じを残しておきたいので、空だけにかすみ除去をかけるのがポイントです。
一方で彼岸花のかすみ除去を上げると影がより濃くなって立体感が出ます。

部分補正:周辺光量を整える

①円形グラデーションを使って周辺光量を明るくする
円形グラデーションツールの外側を明るくすることで、自由に周辺光量を調整できます。
ぼかしの値と露光量を変えながら周辺光量を調整していきます。

完成

Before Afterの比較です。

被写体の色をはっきり出し、透明感を出すとともに、明るい部分と暗い部分を強調させることで立体感が出せました。

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