こんにちは、Yutoです。
初心者向けシリーズの二つ目。一つ目では、カメラの選び方と揃えておきたいグッズを紹介しました。
この初心者向けシリーズの記事をどれか1つでもブックマークしておけばカメラを楽しめるような内容にしています。
良さそうだな、また読みたいな、と思ったらぜひブックマークしておいてください。
で、二つ目の記事では、カメラを買ったけど最初は何を撮ったらいいのか、どんな設定にしたらいいのか、というのをご紹介します。
- 超初心者向けの記事です
- これさえ読めば写真撮影が楽しくなります
AUTOで撮ると思ってたんと違う ってなる理由
頭で思い描く景色とカメラが捉える現実の世界は違う
僕たちの頭は意外と優秀で、実際に目で見えた景色を都合良く処理したりします。
例えば、視界に不要なものがあったとしても、あまり気にならないようにしているとか、花や空の色はより鮮やかに記憶に残すとかそんな感じです。無意識のうちに景色を頭の中で良い感じに切り取ってるんですね。
しかし、カメラは正直です。クソがつくほど真面目にその場所の景色を切り取ってきます。
だから見ている時は気にならなかった電柱や枯れた花が気になります。
これが頭で描いていた理想とカメラが写してきた現実とのギャップにのたうちまわる理由です。
左側は良いカメラを使えばこんな感じで撮れるだろうという理想像。
右側はカメラ任せに撮った現実。
カメラに都合の良い部分と悪い部分を教えてあげよう
理想と現実のギャップはカメラの扱い方ひとつでかなり埋めることができます。
ギャップを埋められるいくつかの方法を紹介しますので、思うように撮れないなぁと思ったらご参考ください。
Autoは良くも悪くも失敗しない写真を撮ることができます。でもカメラには感情はないし、視覚化の性能も我々の目に比べると劣っています。そこで撮影者である我々がカメラのサポートをしてあげる必要があります。
ここからは具体的にカメラが楽しくなって撮りにいきたくなる5つの撮影テクニックをご紹介します。
本当にカメラ買いたてという人にこそやってもらいたいことを掲載しました。
写真を撮りたくなる5つのステップ
1, Aモードで撮ってみる
まずはAUTOにしているモードをAモードに変えてみましょう。
メーカーによってはAvと表記されています。
- A:ソニー・ニコン・フジフイルム・オリンパス・パナソニック
- Av:キヤノン・ペンタックス
カメラの上にこんなダイヤルがついているので、これをAにあわせればOKです。
P(プログラムモード):明るさを変えられる
A・Av(絞り優先モード):明るさとボケ具合を変えられる
S・Sv(シャッタースピード優先モード):明るさと動くものに対してシャッタースピードを変えられる
M(マニュアルモード):全て自分の思うがままに変えられる
SCN(シーンおまかせモード):状況に合わせて設定が変わる
Aは絞り優先モードといってP・A・Sの中ではわりとなんでも撮れる万能モードです。ボケ具合を変えられるのが魅力的。やっぱり一眼レフ・ミラーレス一眼といったらボケですよ!ボケ!
というわけで、Aモードは非常にオススメです。
2, ボケ具合を変えてみよう
Aモードは絞り(F値)を調整できる
Nikon D5500 + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
Nikon D5500 + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
F5.6のほうは大きくボケてF22のほうは後ろの花までわりとはっきり写っています。
こんな感じでF値を調整することでボケ方が大きく変わります。
絞りとはレンズの開き具合のことをいいます。
レンズには絞り羽根という光が入ってくる穴の大きさを調整する部分があり、そこを大きくあけるとボケが大きく、小さく絞るとボケが小さくなります。
絞りを調整するパラメータをF値といいます。
3, 明るさを変えてみよう
写真を撮っていて、暗いなと感じることがあると思います。
Aモードでは写真の明るさを「露出補正」で調整できます。
Nikon D5500 + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
Nikon D5500 + AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
露出補正を調整するとこんな感じです。
+1.0にすると明るくなり、-1.0にすると暗くなります。
露出補正を調整するボタンは↓のような感じです。
多くのカメラは[+/-]で表記されています。このボタンを押しながらF値を変えたりするダイヤルを回すと、露出補正ができます。
明るいと、可愛い・さわやかなイメージ
暗いと、渋い・カッコイイというイメージ
になります。雰囲気に合わせて明るくしたり、暗くしたりすると良いでしょう。
では、実際にどのくらいの露出補正にしたらいいんですか?っていう話ですが基本的には-0.3〜+0.3ぐらいにしておけばOKです。
Sony α7II + FE 24-105mm F4 G OSS
これは基本的な日中の撮影ですが、露出補正は+0.3で撮影しています。逆光などの特殊な条件でない限りはこのぐらいの明るさで撮影するのがオススメです。
Sony α7II + FE 24-105mm F4 G OSS
逆光の時は露出補正を+1.0ぐらいまで上げます。
そうすることによって花がなんか暗い?ってなるのを防ぐことができます。
4, 色を変えてみる
ホワイトバランスという写真の色味を変えられる機能があります。
カメラによってはWBという表記もあります。
ホワイトバランスの設定には「晴れ」とか「曇り」とかありますが、天気によってそのホワイトバランスに合わせる必要はありません。たとえば晴れの日にホワイトバランスを曇りにしてもOKです。
こんな感じでカメラ任せのホワイトバランスだと写真の色味は自動で決められてしまいますが、ホワイトバランスを自分で調整することによって写真の色味を変えることができます。
この場合はホワイトバランスを日陰にしたことで、写真に暖かみが増しました。
基本的にはどんな時でも「太陽光」「晴れ」などの設定にしておいて問題はないです。一番ベースな色になりますので。都市夜景や工場夜景の時は「蛍光灯」ぐらいにすると色の調整がしやすいですね。
あとは自分の好みに変えて、寒色系にしたり暖色系に調整することができます。
5, 写真の仕上がりを変えてみる
実はカメラ内でほぼイメージ通りに仕上げられる機能があります。
メーカーによって名前が違いますが以下の通りです。
- ソニー:クリエイティブスタイル
- ニコン:ピクチャーコントロール
- キヤノン:ピクチャースタイル
- 富士フィルム:フィルムシミュレーション
- オリンパス:シーンセレクト
- ペンタックス:カスタムイメージ
- パナソニック:フォトスタイル
写真の仕上がりが変わるとイメージが変わります。
これはニコンのピクチャーコントロールであるスタンダードとビビッドの違いです。ニコンの場合はピクチャーコントロールを選らんだあとさらに細かく明るさやコントラストを調整することができます。
実践 〜簡単に写真が面白くなるコツ〜
”何”を撮りたいか主役をはっきりさせる
面白い写真を撮るコツは「何を撮りたいか」決まっていることが1つです。
例えば花を撮りたいと思ったら、花を主役にして撮ります。
視線の高さを変えてみよう
例えば花壇にある花を撮る場合、視線の高いところから写真を撮ると、花壇がありますという説明的な写真になってしまいます。
ところがたった一つのことをするだけで写真は劇的に変化します。
どうでしょうか。
しゃがんで撮るだけでずいぶんイメージが変わりました。基本的に花は同じ視線にすると撮りやすいです。
焦点距離:90mm相当 F3.2 SS:1/4000 ISO:100
この梅は枝と同じぐらいの目線に合わせて撮影しました。
梅は自分の視線ぐらいの高さにある枝も多いので、無理な姿勢をしなくても撮ることができます。
焦点距離:90mm相当 F3.2 SS:1/3200 ISO:100
ほとんど這いつくばるような格好で撮影しています。
背の高いコスモスの間にある小さなコスモスの高さに視線を合わせました。
どの花を撮りたいか決めて、同じ視線の高さで撮影すると「花の写真」という感じになります。
玉ボケを使ったキラキラ写真を撮ってみよう
焦点距離:46mm相当 F:5 SS:1/400 ISO:100
これは合成?と思われるかもしれませんが、実は玉ボケを使って撮った1枚の写真です。
キラキラボケは金属・水辺・草などキラキラしているところをボカせば簡単に作ることができます。
焦点距離:24mm相当 F:1.7 SS:1/6400 ISO:100
こんな感じの場所でキラキラを作ることができます。
基本は逆光になる方向を向いて撮ります。
F値が小さいほど大きくボケ、F値を大きくするほどボケは小さくなります。
絞りはレンズに光を通す穴です。開くと穴は大きくなり、絞ると穴は小さくなります。
絞りが開いている時はボケが大きくなり、絞っている時はボケが小さくなります。
また、光が通る量が変わるので、ボケの調整だけではなく、明るさの調整もできます。暗いところでは絞りを開くことで写真を撮りやすくなります。
とりあえず覚えておいたら大丈夫な構図パターン3つ
構図、悩みますよね。
何が正解かわからない。自由に決められるのがかえって難しい…と感じてしまうのですが、実は構図の作り方もいくつかのパターンがあります。
たくさんあるのですが、この3つを覚えていたらほとんどの構図を作ることができてしまいます。
1, 日の丸構図
主役をど真ん中に置くシンプルな構図です。一番目のいきやすい位置なので主役を目立たせたい時にオススメです。花や風景にオススメです。
少し前まで「日の丸構図はダサい」と言われており避けられていましたが、日の丸構図でしか表現できないこともたくさんあり、最近では見直されています。基本的に撮影技法は否定しないほうがカメラを楽しむことができるので、どんどん試してみることをオススメします。人に迷惑をかけたり被写体を壊したりするような撮影技法は良くないです。
2, シンメトリー(二分割構図)
画面を二分割にわけて構成します。
一番わかりやすいのは水面の反射を利用した二分割ですね。水面反射以外でも画面の真ん中ですぱっと切れるような構図を探してみると良いでしょう。
3, 三分割構図
画面を縦と横にそれぞれ三分割して構図を組み立てる方法です。
この写真は縦の分割は一番下が手前の梅、二番目が山や雲海などちょっと離れた場所、三番目が空でめっちゃ離れた場所にエリア分けしています。横は左から順に明るいところが暗くなっていきます。
構図に困ったらまずは三分割構図に当てはめると良いです。いきなり縦横両方を三分割するのは難しいと感じたら、最初は縦だけ三分割・横だけ三分割にすると良いです。
そのほかの構図は別記事で紹介しているので、興味があったらこちらものぞいてみてください。
初心者でもできるちょっとしたテクニック
太陽をキラーンと輝かせる
焦点距離:105mm相当 F:16 SS:1/400 ISO:100
太陽をそのまま撮ると明るすぎて、写真が真っ白になってしまいますが、この写真のように地面とスレスレの位置で太陽をチラ見せすることで、太陽をキラっと宝石のように輝かせることができます。
焦点距離:35mm相当 F:16 SS:1/60 ISO:100
この写真もそうですね。
太陽を花の隙間からちょっとだけチラ見せすることで、キラっと輝かせることができます。
コツは太陽を全部見せるのではなく、チラ見せさせることです。
絞り(F値)は8〜16ぐらいがオススメです。
とにかく玉ボケを作りたい
焦点距離:135mm相当 F:2.8 SS:1/4000 ISO:100
玉ボケを作るには強い光りが必要です。
玉ボケを作りやすいのは…
- 川の水面
- イルミネーション
- 木漏れ日
などです。
この中でももっとも簡単で手軽のは川の水面です。
特に川沿いにある並木道などはオススメです。花を主役にして水面を背景にすることで、玉ボケをつくることができます。
玉ボケは逆光で撮ります。水の反射は逆光位置から見えるからです。
後悔しないデータの残し方
RAW + JPG で撮影するべし
写真を撮っているとRAWという単語をしばしば目にします。
でもぶっちゃけよくわからんというのが本音じゃありませんか?しかもファイルサイズだけ無駄にデカイし、スマホやパソコンで見ることができないという謎ののファイル。
そんな未知数だらけのRAWは選択せずにJPGだけ記録している方も多いです。
しかし、RAWを残しておくと数ヶ月〜数年後に残しておいて良かった!!!ってなること間違いなしです。
レタッチというのは、写真を編集加工することです。世の中に出ている写真のほとんどは何らかの編集加工が施されています。
編集加工ができるようになると、実際の色はこんなんだったのにな〜と自分が感じた通りの写真を仕上げられるようになります。
JPGだと限られたことしかできませんが、RAWだとこんなところまで編集できるの!?ということがあるので、ちょっととっつきにくいな〜と思ってもとりあえずRAWデータを残しておくことは、後々良かったと思える日がくるでしょう。
撮影データの形式を選ぶ方法
撮影メニューの「撮影記録形式」というところから
JPGやRAWの選択ができます。
カメラによって項目名は異なりますが
- 撮影記録方式
- 画質
などといった項目で設定できるようになります。
見当たらなかったらJPGやRAWと記されている項目を探すのも良いでしょう。
簡単に写真が上手くなる方法
最後に…本当に誰でもすぐに上手いと呼ばれる写真を撮る方法をご紹介します。
お金もかかりません、特殊な技術も必要ありません。
その方法は…
- 早朝か夕方に撮影しにいく
焦点距離:28mm相当 F:8 SS:1/25 ISO:100
日の出日の入りの前後数十分間はマジックアワーと呼ばれていて、とにかく世界が綺麗になります。
晴れていて空気が澄んでいればOKです。上の写真もそうですが空のグラデーションがめちゃくちゃ綺麗ですよね。これはマジックアワーならではの綺麗さです。
焦点距離:24mm相当 F:4 SS:1/1000 ISO:100
夕日が沈む前の撮影です。
夕方ならではの暖かい雰囲気や光と影のコントラストが綺麗になります。日中にはこんな雰囲気は出せないです。
晴れた日の朝夕にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
きっと良い瞬間にめぐりあえると思います。
外出自粛中なら光の綺麗なところへ行く
カメラ初心者の人は「光が綺麗」って思ったところを撮ると幸せになれます。
— Yuto@オンラインレタッチ教室 (@YutoPhotography) April 16, 2020
場所は自宅でも散歩道でもどこでもいいです。 pic.twitter.com/hDLwBffvWV
2021年現在、今は外に出て写真が撮りにくい時期です。新しくカメラを買ってもなかなか触る機会ができないかもしれません。カメラを触ってみたくてしょうがないという方は、ぜひ自宅の中や庭などで光が綺麗なところを探してみてください。
初心者におすすめな写真の本
撮影テクニック
超初心者向け マンガなので誰でも読みやすい
本当にカメラ買いたての初心者向けです。
撮影することが楽しくなるような心構えや、ちょっとしたコツ、本当に注意するべき点がマンガと文章でうまくまとめられています。
マンガがあるので、活字を読むのになんとなく抵抗があるという人も、すんなり入り込むことができます。
本格的なことを知りたい人向け 世界最高クラスの写真家達がまとめた構図テクニック
写真を撮るうえで一番最初に考えるであろう構図。そして構図は加工や編集ではどうにもならないということも多いので、まず最初に集中的に勉強するべき項目といえるでしょう。
はじめて3日とかの本当に初心者だと、内容が理解できないところもありますが、しばらく撮影を楽しんでいると理解できるようになってきます。
「ナショナルジオグラフィック」は世界最高クラスにハイクオリティな写真が集まっている雑誌を発行しているところです。雑誌に写真を寄稿している写真家の方々がテクニックをまとめているので、内容は一流です。
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