こんにちは、Yutoです。
曇りの日って、どこへ撮影に行ったらいいか悩みますよね。
空はなんだかどんよりしているし、地上は影がなくてのっぺりした感じなので、魅力的な写真が撮れる雰囲気が皆無です。
しかしながら先日、このようなツイートをしたところ、かなりの反響がありました。
曇りの日は案外良い写真が撮れます。
例えば、しっとりした色味の森や、川の流れは曇りの日だからこそ撮れる写真です。
他には雲の流れを写真で表現することもできます。
せっかくお出かけできる日が曇りだった…なんてことは珍しくありません。
この記事では曇りの日だからこそ撮影に向いている被写体や撮影スポットを紹介します。
曇りだからやっぱり出かけるのやめよう…ってなりそうな方に参考になれば幸いです。
「渓谷や森」で深い緑を撮る
- 反射が少ない
- 画面全体が落ち着いたトーンになる
渓谷は曇りの日に撮影すると、太陽光の反射が少なく、植物の色や岩のディティールをはっきり出すことができます。水面も反射しないため白飛びしにくく、流れている水の表情を出しやすいです。
円原川(岐阜県山県市)
円原川は苔がたくさん自生しています。また霧が発生しやすいところのため、植物がしっとりしていて色が濃いです。太陽光が出ていると反射してしまって色がうまく出ないことがあるのですが、曇りの日は光加減が安定しているので、落ち着いた色になります。
赤目四十八滝(三重県名張市)
滝は曇りの日に撮影すると、水の流れや周りが落ち着いた雰囲気になります。
さらに滝の正面で撮っている場合、水しぶきが飛んできやすいのでレンズの前面に水滴がつき、ゴーストの原因となってしまいますが曇りの日であれば太陽光の反射が少ないので、その影響も小さくできます。
「建物や岩」をスローシャッターで幻想的に撮る
- 雲の流れで空に表情をつけることができる
一見真っ白に見える曇り空ですが、スローシャッターで撮影することによって雲の流れが表現可能となり、空に表情が出ます。結構カッコイイ写真が撮れるのでオススメですよ!
東京タワー(東京都港区)
せっかく東京タワーまで来たのに…!とはならず、曇りだからこその写真を撮ることができました。
長時間露光で流した雲と、鉄骨のメタリックな質感は相性が良いです。
ちょっと日が傾いて暗くなってきたなという時間帯にND1000で2分ぐらい露光するとこんな感じの写真になります。
僕はこのND1000をよく使っていますが、色かぶりやケラレが少なく高画質なので重宝しています。
また、僕がよくつかっているレンズ
・FE 24-105mm F4 G OSS
・AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
・AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
上記3つのレンズのレンズ径が77mmと全て同じになっています。
つまり77mmのフィルターを買えば、これらのレンズで使い回すことができます。
非常にコスパが良く、荷物も少なくなるので、フィルターを使った撮影を考えている人は、レンズ径も確認してレンズを揃えると良いです。
千代崎海岸(三重県鈴鹿市)
こちらも同じようにND1000を使って撮影しました。
スローシャッターにすると雲の流れだけではなく、水面も表情が変わります。どれくらいシャッターを開いたかによって表情が変わるので自分好みの表情を見つけてみてください。
千代崎海岸(三重県鈴鹿市)
こちらも長時間露光をしています。空と水面がサラサラになっている中、岩だけががっつり残っている状態がとても幻想的な雰囲気です。
優しい光の「ポートレート」
大磯海岸(神奈川県大磯町)
花衣団体ルナフルージュ http://luna-fleuge.jp
曇りの日のポートレートは撮りやすいです。肌のトーンが程よい感じに出るので優しい仕上がりになりますね。全体的にしっとりしたイメージになります。
明るい!さわやか!というイメージの写真が撮りたい場合は薄曇りぐらいが良さそうです。
祓川河口(三重県明和町)
曇りの日は映画のような写真が撮れます。特に空に少し表情がある時にオススメ。
アンダーめの露出にして、撮影するとシックな感じになります。
五ヶ所湾(三重県南伊勢町)
曇りの日は、画面全体がマットになるので、花火のような輝くものがあるとなおよしです。
手持ち花火ができる海岸、できない海岸があるので、その場所のルールに従って行いましょう。
また、花火をして出たゴミは必ず持ち帰りましょう。
落ち着いた雰囲気の「小径」
- ごちゃついた場所でも画面をまとめやすい
小径はごちゃごちゃした場所が多く、そこに光や影があると、さらに画面がごちゃつくこともあるのですが、曇りであれば画面全体がマットになるので、構図をまとめやすいです。
思い出横丁(東京都新宿区)
ごちゃついていることが多い小径ですが、光加減がマットで安定しているため、写真にまとまりを持たせやすいです。
先斗町(京都府京都市)
曇りの日は晴れている日よりも薄暗い時間帯が長くなります。そのため早い時間帯から提灯が灯されるので、幻想的な雰囲気になります。
やさしい色味が出せる「花」(クローズアップ)
- やさしいトーンの写真が撮れる
曇りの日は雲自体がソフトフィルターの役目を果たしてくれるので、やさしい光のもとで花を撮ることができます。
万博公園(大阪府吹田市)
花のクローズアップ撮影は曇りの日でも最もやりやすい撮影の1つといえるでしょう。
通常花びらや葉っぱは太陽光が直接当たると乱反射したり影が出たりして、綺麗な色が出しにくいのですが、曇りの日は花そのものの色をバランス良く出すことができます。
また、ハイキーで撮っても白飛びしにくいので、爽やかで優しい写真が撮れるのも魅力の1つですね。
ちなみに晴れの日は半透明の傘を使うことによって花に落ちる影を弱めることができます。覚えておくと便利なテクニックです。
花は気象条件以外でも、機材による撮りやすさの違いを強く感じました。
SONY FE 135mm F1.8 GMや、TAMRON SP AF 90mm F2.8 Di Macro 1:1 272Nll(いわゆるタムキュー)は綺麗にボケるので撮りやすいですね。
紅葉
- 飽和しやすい赤や黄色が出しやすい
紅葉は太陽光に直接当たった状態で撮影すると、色が飽和して紅葉っぽくならなかったり、ごちゃごちゃしたイメージになってしまうことがあります。曇りであれば光が安定しているので落ち着いた赤色や黄色を出すことができます。
長谷寺(奈良県桜井市)
暖色系の色は飽和しやすいため、優しい光のもとで撮るぐらいの色合いはとても綺麗です。
曇りの日といえども外と室内との明暗差が大きいのでシルエット撮影は可能です。
もみじ池(滋賀県高島市)
枝や葉っぱを繊細に撮ろうとするならば曇りの日はうってつけです。
葉っぱが乱反射するのは前述しましたが、枝も同じように乱反射してしまいます。特に枝のような細いものが乱反射するとフリンジという現象が発生して写真の色がにじんでしまうことがあります。
曇りの日は乱反射しないので、枝のディティールや色をはっきりと出すことができます。
日中の「展望台」
- ストーリー性のある写真が撮りやすい
- 空に表情がある曇りであればなお良し
展望台といえばスカッと晴れた日が望ましいのですが、曇りの日は曇りの日ならではの雰囲気がある写真が撮れます。
ただし、曇りの日の日中がオススメで夜はオススメしないです。
六本木ヒルズ 東京シティービュー(東京都港区)
外の景色だけ撮ると、のっぺりした風景だけ撮れてしまうので、室内と一緒に撮ると良いでしょう。
晴れの日ほど明暗差がないので、どちらかが白飛び・黒つぶれという自体も少ないと思います。オススメの時間帯は日中から外が真っ暗になる直前までです。
露出は外の風景に合わせるとバランス良いでしょう。
夕焼け
- 曇りから晴れに回復していく予報である
- 撮影地よりも西側が晴れている 50kmぐらい西が晴れていると良い
- 焼ける直前に夕日が西の空をオレンジにふわっと照らす
だいたいこの3つが揃えば爆焼けします。3つめは焼ける直前なので実際に現地に行って確認しないとわかりません。
WTCコスモタワー(大阪府大阪市)
曇りの日はもしかすると逆転のチャンスがあるかもしれません。夕焼けが起こるのは雲があるからなのですが、曇りの日に夕焼けをしたらたくさんの雲が焼けるので迫力があるのです。
いわゆる爆焼けというやつです。
落ち着いた雰囲気の「京都の寺」
- 静かな京都をイメージできる
- 人気撮影地や観光地でも空いている
普段は観光地として賑わっていますが、曇りの日に写真を撮るとあまり人っ気の感じられない静かな京都がイメージできるような写真を撮ることができます。
源光庵(京都府京都市)
源光庵の悟りの窓と迷いの窓。この畳のエリアには誰も入れないので、人が写り込まない写真を撮ることができますが、曇りの日ならではの落ち着いた雰囲気がより静かな京都の寺のイメージを膨らませてくれます。
本当はすぐ両隣に人がいっぱいいます 笑
念仏寺(京都府京都市)
念仏寺の庭を少し奥のほうへ行くと竹林があります。
晴れていれば木漏れ日もあったかもしれません。しかしながら曇りの日で木漏れ日がなかったからこそ竹林と階段だけというシンプルな写真が撮れました。
祇王寺(京都府京都市)
祇王寺の庭は林のようになっています。晴れていると木々の影が地面に落ちていて綺麗なのですが、この場合は要素が多くなりすぎて画面全体がごちゃついてしまいます。
林が落ち着いた雰囲気になっているからこそ、奥の建物が木々で隠れされていてもごちゃついたイメージがなくなりました。
- 室内から庭を撮る
- 竹林の中
- 林の中
記事中で使った機材
カメラ
いずれも2020年現在、最新モデルより1つ前のものですが、現役で使えています。
値段が手頃になってきているので、フルサイズカメラにデビューしたいという人はこれらの機種はオススメです。
どちらもカメラとしての出来が良いので、長く使えるカメラとなるでしょう。
便利ズーム / だいたいのものは撮れる
広角から望遠までをレンズ1本でカバーしています。
安価ですが、なんでも撮れる万能レンズです。
ボケを活かした写真を撮りたいという人以外はまず、これらのレンズを手にいれて間違いないでしょう。
広角レンズ / 滝や川でオススメ
川や滝では前景として手前にある葉っぱや水の流れをいれることがあります。
そんな時に良いのが16mmです。
広角とはいえ広すぎず、ゆがみが少ないのが特徴的ですね。
さらに超広角レンズのような出目金レンズではないため、フィルターを取り付けられるというのも良いです。
扱いやすい画角なので、広角デビューをするという人にオススメです。
望遠レンズ / 抜けが良い場所でオススメ
ニコンの大三元レンズの1つです。
今は旧モデルとなっていますが、ポートレートを撮らない限りは最新モデルである必要はありません。
優れた描写力、速いオートフォーカスが頼もしいです。
単焦点レンズ
広角なのにボケるというのが強烈なインパクトになるレンズです。
解像感・ヌケ感とも高いので、非常に優れた描写をしています。
また、被写体にぐぐーっと接近することが可能で、様々なシーンで撮影することができます。
まとめ
曇りの日は光が落ち着いている
ここまでにしつこいぐらいに書きましたが、曇りの日は光が落ち着いています。
晴れの日に比べて光が落ち着いていることによって
- 色がはっきり出る
- やさしいトーンになる
このような特徴があります。
空を入れた撮影にはあまり向いていませんが、空を入れないような撮影をすると曇りの日でも面白い写真が撮れるように感じますね。
標準〜中望遠ぐらいのレンズがあれば色々な撮影を楽しみやすいでしょう。
空を入れる場合はスローシャッターがオススメです。