こんにちは、Yutoです。
春の花の代表格といえば桜でしょう!
桜は日本各地、至る所にあるので、どこでも撮れる花の1つです。
パッと咲いたと思ったらパッと散ってしまって、撮影期間が極めて短いと思われるかもしれませんが、実は結構長く楽しめる花です。
今回は桜(ソメイヨシノ・シダレザクラがメイン)の撮影の基礎的なところから、一本桜や桜並木の撮り方をはじめ、色々な撮影方法と現像方法を紹介していきます。
同時に桜撮影スポットも紹介します。
例年早いところは3月下旬に見頃となり、遅いところは5月上旬に見頃となります。
地域による開花タイミングの違いの詳細は後述します。
撮影の基本
光加減によって印象が大きく変わる
順光
まずはスタンダードな順光。
太陽を自分の背にして被写体に直接太陽光が当たっている状態ですね。
順光は被写体の色とディティールがはっきりと写されます。
撮影としても最も撮りやすい光加減です。
逆光
逆光は順光と違い、自分が太陽のほうを向いて、太陽と自分の間に被写体がある状態です。
被写体の影の部分を写します。この写真はやや逆光ぐらいの光加減です。
色やディティールが出しにくい反面、影の綺麗さが出せるのは逆光ならではの撮影です。
逆光の場合は露出補正を+0.7ぐらいにすると被写体のディティールや色が出てきます。
逆光の場合は太陽と被写体の明暗差が激しいため、写真の保存形式をRAWに設定し、撮影時はやや暗めに撮って撮影後に調整することをオススメします。暗めに撮るのは白飛びを防いでデータをしっかり残しておきたいからです。
RAWに関しては以下の記事に詳細を書いています。
太陽を入れて撮る(逆光)
この写真は逆光です。ド逆光です。
色やディティールが最も出しにくく、被写体は基本的に真っ黒なシルエットになります。
ある程度ディティールが残っている部分は基本的には撮影後に現像して調整します。
逆光での花びらは光を透き通して綺麗になるので、クセのある光加減とはいえ魅力的な光加減といえます。
朝・夕の斜光
朝方や夕方の斜光は桜の撮影に最も向いている光加減だといえるでしょう。
桜は基本的に白っぽいピンクですが、そこに黄金色やオレンジ色の太陽光が当たると綺麗に色づきます。
とはいえ斜光で綺麗に色づいている時間は非常に短いので、シャッターチャンスは逃したくないですね。
桜は綺麗だからこそ撮る場所やシチュエーションを選びたい
曇り空は入れない
曇り空の日は空が白く、白飛びしていなくとも白飛びしているようなイメージになってしまいます。
雲に表情があれば良いのですが、薄曇りなど雲の位置が高いところにある曇りの日は空はフラットなことが多いです。
そのような日は極力空を入れずに撮影すると空の白さに目がいかず、桜に目が向くでしょう。
青空は入れる
さきほどとは変わってよく晴れた日の場合。
このような日は青空と桜を一緒に撮って、春のさわやかさを切り取りたいですね!
空は太陽の近くは白く、反対側にいくほど青味が増します。そのため順光で撮ると桜の色と空の色がはっきり出るでしょう。
バス停と桜は相性が良い
桜は綺麗です。そこらの道端にある桜でさえ綺麗で思わず立ち止まってみたくなります。
しかし、意外と道端の桜は写真にすると絵にならなかったりするもの。ただ単に撮っただけだと桜があったから撮っただけという記念写真になりがちです。
ところが、バス停と桜の組み合わせは相性が良いです。見た目が綺麗なことももちろんですが、写真に物語性を持たせることができます。
物語性といっても難しいものではなく、例えばアニメや映画のワンシーンになるようなシーンを切り取るとかそんな感じです。
桜の撮影スポットまとめ記事
東京都と三重県の桜撮影スポットはたくさんめぐってきているので、参考になれば幸いです。
一本桜の撮り方
画面いっぱいに広げる
一本桜の全貌を写さずに、画面に入りきらないぐらいで写すと大きな一本桜ならではの迫力が出ます。
離れたところから望遠レンズで射抜く、近い場所で広角レンズを使ったり様々な方法で画面いっぱいの桜を撮ることができます。
幹や枝ぶりの形や線を生かす
一本桜を画面いっぱいに広げる時は枝ぶりや枝の流れを利用すると写真もまとまった構図にしやすいです。
この場合は写真の下から扇状に広がっていく幹と枝をもとに構図をつくりました。
桜全体を撮る
一本桜、とりわけ名木になるようなものは全体の形が綺麗なことが多いです。
そのような桜は全貌を入れたくなりますね。
この場合は素直に桜の全体を入れてしまいましょう。コツはできるだけ入れたくないものは入れない場所を探すことです。
人工物は入れない・目立たせない
この桜は茶畑のど真ん中にあります。
付近には電柱や倉庫などがあるので、それも一緒に写ってしまうと桜がそれらに埋もれていきます。
もちろんそれらを入れて茶畑全体の風景として撮るのはアリです。
この写真の場合は桜を一本だけ浮かび上がらせたかったので、倉庫や電柱ができるだけ目立たない位置になるような場所を探して撮影しました。
脇役の入れかた
桜と富士山を撮りました。どちらも被写体としてエネルギーが強いです。
特に富士山の被写体力はすさまじく、富士山となにかを写すと「富士山の写真」になってしまうことが多いです。
脇役となる被写体は基本的に主題よりも小さくなるように配置すると良いでしょう。
この写真の場合は脇役は右下に小さく配置し、主題となる桜を大きく配置しました。
桜吹雪を撮る
暗めの背景がおすすめ
桜の花びらはほぼ白色に近く、明るい色をしています。
そのため背景となるものはできるだけ暗いものにすると、花びらが空中を舞っている様子がよくわかります。
この写真は桜吹雪の背景は森になっています。
森が順光で光が当たっていた場合はごちゃついた背景になっていたかもしれませんが、光が横から入ってきていて森自体は影になっていたのでシンプルな背景になりました。
桜吹雪の背景を青空にする
桜吹雪の背景はシンプルなものであれば、森のように暗くなくても桜吹雪の様子がわかりやすいです。
青空を背景にした場合は順光になっているところがオススメ。
逆光になっていると空が白くて花びらが黒く写ってしまうのでセンサーについたゴミのようになってしまいます 笑
道と桜吹雪は相性が良い
道と桜吹雪は相性が良いです。
まるでアニメのように舞い散る桜が美しいですね。合成のように思えるかもしれませんが、実際に桜吹雪を浴びながら撮影したものです。
風が穏やかですが時折風速2〜3mぐらいの風が吹くとこのように花びらが舞い散ります。
気象条件は予報が晴れで風速2〜3mの時に出かけると良いでしょう。
桜並木の撮り方
画面いっぱいに写して桜のトンネルを撮る
桜並木を望遠で撮影すると桜のトンネルを切り取ることができます。
桜並木によってできた影や、桜並木の下を歩く人が写真にストーリー性や面白さを持たせてくれます。
桜吹雪が撮りやすい
桜並木は桜の木がたくさんあるため、桜吹雪が起こる頻度も高く、また花びらの舞う量も多いです。
そのため桜並木の下では桜吹雪が非常に撮りやすいです。狙い目は満開になってしばらくしてから散り始めの風が強い日です。
撮れた直後はカメラのディスプレイで確認してもわかりにくいことも多いかもしれませんが、落ち着いた環境でじっくり見返したり、パソコンのような大きな画面で見ると花びらがたくさん舞っている様子が写っているでしょう。
このような場所では逆光側で撮るほうが花びらが輝いて桜吹雪を捉えやすいです。
桜並木をパンフォーカスで撮る
風景として桜を撮る
よく絞り込むことで画面全体にピントが合った写真を撮ることができます。
これをパンフォーカスといいます。
画角や被写体までの距離にもよりますが、35mm換算で24mmだと絞り(F値)8〜11ぐらいでパンフォーカスの写真が撮れます。
写真は川沿いの桜並木をパンフォーカスで撮影したものです。
順光ではっきりとした色合いが出て、風景写真らしい桜並木を撮ることができました。
川沿いは花筏が撮りやすい
川沿いの桜並木は散り際も花筏と呼ばれる現象を楽しむことができます。
花が川の水面を覆い尽くしイカダのようになることからそう言われています。
川一面が桜色になる様はまさに絶景です。
桜が散り始めてから散り終わるまでの間が狙い目です。
散り始めてからは早いので、最高のタイミングを狙うのは難しいです。狙っている場所の開花状況をこまめに調べながら撮影に出かけると良いです。
一輪の桜に注目する
開放で背景をボカす
マクロレンズで至近距離まで寄って、一輪の花を撮影しました。
この時背景にしたのは他の桜がついている房です。満開の時だったので、枝が目立たず、綺麗な背景になってくれました。
手持ちマクロで撮影する時は、ピントが合ったと思ったらすかさずシャッターを切ることがコツです。
花が揺れるだけではなく、自分も前後左右に揺れているためマクロ撮影のようなピント位置がシビアな時はそれだけでピントがずれてしまうのです。そういった意味ではピントが合うタイミングを予測してシャッターを切るのもアリです。
撮影後は再生画面を拡大してピントが合っているかどうか、しっかり見直すのが良いです。
夜桜のライトアップを撮る
一本桜のライトアップ
一本桜のライトアップはメインとなる被写体がシンプルでわかりやすいため、比較的撮りやすいです。
本格的にライトアップを撮る練習をしたい場合は一本桜を撮ってみることをオススメします。
一本桜のみを撮影するのか、一本桜と他の被写体を組み合わせて撮るのか、色々考えたうえで撮影場所や構図を作ると良いでしょう。
桜並木のライトアップ
桜のライトアップで最もポピュラーなのは桜並木のライトアップでしょう。
しかしながら街中にある桜並木はライトアップの光以外でも街灯の光が混ざっていたりするため、色合いがぐちゃぐちゃになることが多いです。
この写真のライトアップ(ライトアップというか街灯に照らされているだけ?)は街灯や建物、車のライトなど様々な色の光によって色かぶりだらけになりました。
撮影後の現像でかなり色味を調整して整えています。
夜桜のライトアップ(特に街中)は現像の良い練習台になります。
桜と城のライトアップ
城の桜は夜になるとライトアップされることが多いです。
特に掘の周辺がライトアップされていることが多く、風のない日は掘の水面に桜が綺麗にリフレクションします。人気の撮影スポットは人でいっぱいになることが多いですが、そうでない場所は三脚を立ててゆっくり撮影できるところが多いです。
色々な桜の撮り方
青空と桜をPLフィルターを使って撮る
PLフィルターを使うと被写体のコントラストが高くなり、余計な乱反射が抑えられるので、色味の強い写真を撮ることができます。
この写真はよく晴れた日に。サーキュラーPLフィルターをつけて撮影したものです。
ピンク色のしだれ桜と青空の色がそれぞれ綺麗に出ています。
ほぼノー現像でこのような発色をするのでPLフィルターの威力はすさまじいですね。
ちなみにPLフィルターは葉っぱや花の乱反射を抑えたり、水面の反射を抑えたりすることができる、便利なフィルターです。風景写真を撮るなら1枚持っておくと様々な場所で役に立ちます。
リフレクション桜
リフレクションは水辺でよく見ることができます。
川とか湖とか掘とか、桜のリフレクションを撮るなら、これらの水辺は外せません。
しかし、リフレクションを撮るならもう1つ良い条件があります。
雨が降った後にできる水たまりです!
写真は雨上がり後の公園で撮影したものです。
大きくて深い水たまりができていたので、石や草が邪魔にならず桜のリフレクションが綺麗に撮れました。
雨が降っている最中だと水面が乱れてしまいます。
さらに、水たまりは干上がっていくのが早いので、雨上がり直後がポイントです。
電車と桜を撮る
桜と電車の組み合わせは春の人気被写体の1つです。
全国各地の電車や汽車と桜を組み合わせた写真はどれも素晴らしいものばかりです。
この写真を撮影した場所は踏切の前後に桜並木があります。
前景と背景に桜をいれることができる、贅沢な撮影スポット。
線路近くの桜並木…と聞くと一見どこにでもありそうなシチュエーションですが、なかなかない組み合わせです。走っていくのが黄色い電車というのもまた良いですね。
流し撮りの背景に使う
桜並木を前景にして桜並木の後ろを走る電車を流し撮りしたものです。
桜が少ない部分で流し撮りしてしまったので、いまいち桜の量が少なく、撮り直したい場所の1つです。
流し撮りをすることで桜は流れ、電車は固定されたような写りになるので、桜が多い場所で電車がちょっとしか写っていなくてもはっきりと電車とわかる写真が撮れます。
ポートレート
桜はポートレートとも相性が良い被写体です。
桜を前ボケに使うのも良いですし、背景が桜一面というようなポートレートも良いでしょう。
桜は至る所で見られるため、ポートレートを撮るのにもじっくり撮れるところが多いです。
桜の現像
桜の花びらはピンク色?白色?
桜の花びらは白色ともピンク色とも言われています。
よく現像の時に桜の色をどうするか問題で議論される内容ですね。
結論から言うとどちらの色も正解です。
桜の花びらは品種によって変わります。
★花びらが白い桜
オオシマザクラ・ヤマザクラ
★花びらがピンクの桜
エドヒガンザクラ・オオヤマザクラ
★ソメイヨシノは花びらの色が変わる
咲き始めはピンク色、満開になると白色に近づきます。
以上のように、サクラの色はピンクでも白でもあります。
そのためピンクのサクラはよりピンクに、白いサクラはより白にする現像はありです。色が強いほうがインパクトは増します。
注意したいのはピンク色は彩度を上げて色を強くすると飽和しやすいことと、強くしすぎるとサクラの色にしては不自然になるということ、白色の場合は強くしすぎる(明るくしすぎる)と白飛びしてしまうことですね。
サクラ、特にソメイヨシノはデリケートな色をしているものが多いので色調整は慎重にしていきたいですね。
実際に桜を現像してみた
桜の存在感を増す現像
撮って出し(左)現像後(右)
※うまく表示されていない場合はページを再読込してみてください。
何回か読み込んでも表示されない場合はご指摘いただければ幸いです。
白色の被写体は明るく撮ると白飛びしてしまうため、少し暗めの設定で撮ります。
しかし、現像で露光量だけを上げても意外と桜の白はくすんだ状態になっています。
そのため白レベルを上げて白色部分を他の部分より明るくする必要があります。
こうすることで写真の中で白色の桜の存在感が増し、臨場感が増します。
夜桜のライトアップを現像
撮って出し(左)現像後(右)
※うまく表示されていない場合はページを再読込してみてください。
何回か読み込んでも表示されない場合はご指摘いただければ幸いです。
これはRAWで撮影したものです。
ホワイトバランスの設定を間違えて撮影したので、撮って出しはひどい色かぶりをしています。
RAW現像である程度の色は復活させることができます。JPGの場合は色の再現はできないので撮影段階でホワイトバランスを間違えるとその後の修復はほぼ不可能です。
元の色がわかるぐらいのホワイトバランスであればセーフかも。
現像の時に気をつけることは注釈で画像に直接記しました。
色味の調整はLightroomでもある程度はできますが、微調整はPhotoshopのほうがやりやすいです。
おわりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
紹介してきた撮り方や現像方法はオーソドックスなものなので、場所やシチュエーションによっては、紹介してきたものとまったく違う方法が良いということもあります。
ただし、撮り方の引き出しは1つでも多いほうが良いと思いますので、どう撮ったらいいのかな?という時にちょっとでも参考になればと思います。
質問などはお問い合わせフォームやコメントでも受け付けています。
何かあればお気軽にご連絡ください。
今後ともよろしくお願いします。
それでは、また。